ヒモの手帖

今日は何を作ろうか

ニラのチヂミ

私が小さい頃、はじめて食べたチヂミは粉っぽくて、糊っぽい、あまりおいしいものではありませんでした。家で作るにしても、どうにも上手くいかなくて、市販の粉を買ってみたり、インターネットで調べてみたりするものの、出来上がりは似たり寄ったり。それがある日、ふらっと入った韓国料理屋さんのお母さんが手早くチヂミを作っているのを目にしたのです。それは私が今まで作っていた方法とは全く違う、シンプルで合理的な作り方でした。さっそく家に帰って真似をしてみたら、あっと驚き!今までの苦労はなんだったのか、とても簡単に、すごくおいしいチヂミが焼けました。驚くほどに簡単で、おいしいチヂミ、ぜひ一度お試し下さい。

【材料】約2人分
チヂミ
ニラ 1袋
卵 2個
粉チーズ 大さじ2
小麦粉 大さじ3〜4
塩 少々
油 適量

タレ
醤油 大さじ4
酢 大さじ1
ごま油 小さじ2

【作り方】
まずは卵を溶いて、塩と粉チーズを加えて混ぜ、軽く味を付けましょう。

ニラを洗って3、4㎝幅にざく切りにします。

ボウルに入れて、ざく切りにしたニラに小麦粉をまぶします。

ニラに小麦粉が均一にまぶされたら、味を付けた卵液を加えて、さっくりと軽く混ぜ合わせます。あまり混ぜ過ぎないのがポイントです。ここまで来ても全然、生地っぽくないと思われるかもしれませんが、大丈夫。これで生地は完成です。

鍋に油を多めに引いて、生地を丸く流します。
中火〜強火でおいしそうな色にカリッと焼きます。フライ返しや箸で底をのぞいてみて、色がついたらひっくり返しましょう。

ひっくり返した面にも軽く焼き目をつけたら出来上がり。タレは小皿に材料を入れるだけ。出来たて熱々を、さっとタレに浸して召し上がれ。

辛いのが好きな人はタレに辣油や一味唐辛子、七味唐辛子なんかを入れてもおいしいです。野菜はニラ以外にもじゃがいもやにんじんなど、色んな野菜で作ることができます。

菜飯

今日は少し楽をして、献立は一汁一菜にしようという日に私は菜飯をよく作ります。白いご飯ではちょっぴりさびしいといった日の献立にぴったりの一品です。ご飯の白と菜っ葉の透き通った翡翠色の組み合わせは目にも鮮やか。もちもちとしたご飯とシャキシャキとした菜っ葉の食感がおいしいです。うっすらと感じる塩気とお酒の香りが食欲を引き立ててくれます。菜っ葉は大根の葉でも、蕪の葉でも、小松菜などでもおいしく作ることができます。冷蔵庫と相談して、実の部分をみそ汁などにすれば、ひとつの野菜でご飯ものと汁ものを一度に作ることができます。大の野菜嫌いの彼女も葉を細かく刻んであるせいか、おいしいおいしいと食べてくれます。

【材料】米2合分
菜っ葉
大根なら1本分の葉の半分くらい
蕪なら2個分の葉くらい
小松菜なら1束の半分くらい
米 2合
塩 大さじ2分の1
酒 大さじ2
昆布(あれば)1〜2枚

【作り方】
まずは米を炊きます。塩と昆布を加えて、酒を含めた量で水加減をしてください。私はいつも混ぜご飯を作る時はほんの少し硬めに炊いています。

米を炊いてる間に湯を沸かして、たっぷりの塩(分量外)で、洗った菜っ葉を切らずに、さっと色よく茹でます。食感を残すようにして茹で上げましょう。

茹で上がったら、すぐに冷水にとります。手でぎゅっぎゅっと水気を切って、刻みます。

余計な水分を抜くために、ほんの少しの塩(分量外)をふって混ぜ、再び手で水気を切ります。

あとは食べる直前に菜っ葉をご飯に加えて、お米を潰さないように、切るようにして混ぜたら出来上がり。


ポークジンジャー

生姜焼きよりはなんだか少しシャレているけど、ポークソテーともちょっと違う。日本のおそうざいの良さと外国のおそうざいの良さを併せ持ったハイブリットとも言える日本が誇る洋食の代表格。ただ焼くだけでは少し脂がキツい豚肉も、生姜や玉ねぎの風味が加わることでガラリと変わるから不思議です。ポークジンジャーを焼いている時の香りは、それだけでご飯が食べられそうなくらい。豚肉、生姜、お醤油の組み合わせは日本人のDNAに深く刻み込まれているのかもしれません。我が家のポークジンジャーには隠し味として梅酒が入ります。お酒とお砂糖を切らしていたのを忘れて、作り始めてしまったのがきっかけでした。梅酒のフルーティーな風味が豚肉にとてもよく合います。

【材料】2人分
ポークソテー用の厚切り肉 2枚
塩 少々
●醤油 大さじ4
●生姜のすりおろし 1片分
●にんにくのすりおろし1片分
●玉ねぎのすりおろし 大さじ2
●梅酒 大さじ1
●水 大さじ2

【作り方】
まずは肉に塩をふって少しおいておきます。ここでの塩は肉に下味をつけるためなので少し薄いかなというくらいにしましょう。

肉に塩をして置いている間にタレを作ります。器や保存袋に●印のついた調味料を全て加えて混ぜます。

タレが均一に混ざったら、肉を漬けます。器の場合はラップなどをぴっちりして肉をタレにしっかり浸しましょう。保存袋の場合は出来るだけ空気を抜いて閉じます。漬ける時間はその日の都合によって、だいたい30分から長くても1時間くらいで大丈夫。

漬け上がったら、鍋に油を引いて、白煙が出るくらいまで強火でしっかり熱しましょう。

はじめに鍋の底に接する面がジンジャーポークの顔になります。肉をタレから取り出して、ジュッと並べます。鍋に並べたらあまり触らず時折、鍋をゆする程度に留めるとおいしそうな焼き色がつきやすいかと思います。

片面がおいしそうに焼き上がったら、ひっくり返して、今度は軽く焼き色をつけます。

タレを加えて少し煮詰めたら、出来上がり。
いんげんのバタ炒めやキャロットグラッセ、粉ふきいもなんかを添えると洋食らしい雰囲気になります。平皿にふんわりと盛ったご飯と一緒に召し上がれ。

玉子チャーハン

冷蔵庫に何もない、でも、お腹が空いたという時にちゃちゃっと作れて、おいしくお腹を満たしてくれるチャーハン。私がまだ小さかった頃、休みの日のお昼の定番でした。具は玉子だけのシンプルなチャーハンだったけれど、ふわふわとした優しい玉子の風味と香ばしいお醤油の匂いが食欲をそそって、飽きもせずに山盛りをぺろりと平らげていました。なんといっても簡単で手早くできるので、お昼はもちろん、小腹が空いた時などにもぴったりです。

【材料】約2人分
ご飯 だいたい1合
卵 3個
醤油 大さじ3
油 適量
塩 少々
胡椒 少々
長葱、高菜、しらすなど(あれば、お好みで)

【作り方】
まずは卵を溶いて、大きめの鍋に油をたっぷり引いて強火で熱します。

白煙が出るくらいに温まったら、溶き卵を流して半熟の炒り卵を作り、お皿などにとって置きます。

鍋を軽く洗って、再び油を引いて中火で鍋を熱します。

温まったら、弱火にしてご飯を加えます。木べらやおさじなどで切るように混ぜるようにします。弱火でじっくり水分を飛ばすように炒めることと、できるだけ混ぜる回数を少なくすることがパラパラに仕上げる秘訣です。

ご飯に油が回ったら、別けておいた卵を加えて軽く炒め合わせます。他に具材を入れる場合はここで加えます。

最後に強火にして鍋肌から醤油を回しかけます。味見をして必要に応じて、塩と胡椒で味を調えたら出来上がりです。熱々をお皿にこんもりと盛り付けて召し上がれ。


マッシュポテト

私は無類のじゃがいも好き。じゃがいもほど安くて、おいしくて、多彩で、お腹を満たしてくれる野菜を私は他に知りません。蒸してバターと塩をのせれば、おやつにぴったりじゃがバター。肉のローストの下に敷いて焼けば、旨みたっぷりの肉汁や脂を吸ってほくほくしっとりの付け合わせに。油でカラッと揚げればビールのお供、フライドポテト。数あるじゃがいも料理の中でも特に私が好きなのがマッシュポテトです。じゃがいもの甘みやなめらかさを存分に味わえる一品です。バターをたっぷりと使ってリッチに仕上げます。肉の付け合わせによし、魚の付け合わせによし、主食としても十分です。

【材料】約4人分
じゃがいも 4個
バター(たっぷりと) 30gくらい
牛乳 200ml弱〜
塩(味を見ながら) 少々

【作り方】
まず、じゃがいもを皮付きのまま洗って、たっぷりの塩(分量外)で水から茹でます。

別の鍋で牛乳とバターを一緒に温めておきましょう。

じゃがいもに竹串や箸を刺してみて、スッと刺さるようになったら茹で上がりの合図です。ザルにあげて手早く皮を剥きます。

ざく切りにして、フードプロセッサーやミキサーなどに入れます。

塩を控えめに加えて、温めた牛乳とバターを注いで撹拌します。

全体が均一によく混ざったら一度、撹拌を止めて味見をして、再び塩を加えて味を調えます。ここで追加して牛乳を足すことでお好みの粘度にすることもできます。

仕上げになめらかになるまでよく撹拌して出来上がり。

けんちん汁

私の彼女は大の野菜嫌い。生では食べられる野菜も限られてしまいますが根菜や葉物、きのこなど、色んな種類を香りの良いごま油で一緒に炒めてぐつぐつ煮込むとカサが減ってよく食べてくれるようになります。野菜たっぷりでヘルシーだし、体も温めてくれる汁物は滋味溢れるご馳走です。

【材料】1鍋分
冷蔵庫に眠っている野菜やお好みの野菜なんでも
例)里芋
       葱
       大根
       人参
       小松菜
       茄子
       舞茸
       しめじetc...
木綿豆腐 1丁
こんにゃく 小さいもの1枚
油揚げ1枚
ごま油 適量
醤油(味を見ながら) 適量
酒(醤油の半分くらい)適量
味噌(隠し味)少々
塩(他の調味料を入れた後に味を調える) 少々
水(全ての材料が浮かぶくらい) 適量

【作り方】
まず野菜、油揚げを食べやすい大きさに切ります。里芋など皮を剥くものは剥いてから切りましょう。こんにゃくや豆腐はスプーンや手でちぎると味が染み込みやすくなります。こんにゃくは必要に応じてあく抜きをしておきましょう。

次に鍋にごま油を少し多めに引いて、葉物やきのこなどの火の通りやすいもの以外の野菜を炒めます。里芋などの表面が透き通ってきたら炒め上がりの合図です。

豆腐、こんにゃく、油揚げを加えて、炒め合わせます。

全ての材料が浮かぶくらい鍋にたっぷりと水を張って、味を見ながら醤油、酒、味噌、塩の順で味付けします。

あとは野菜に完全に火が通るまでぐつぐつ煮て、仕上がる少し前に葉物ときのこを加えて、さっと煮たら出来上がりです。薬味に七味唐辛子や一味唐辛子、今の季節なら柚子の皮などを浮かべてもおいしく頂けます。

けんちん汁は元来、精進料理ですが鶏の小間切れなどを入れてもボリュームが出てよろしいかと思います。うどんやほうとうなどの麺類を加えれば、それだけで十分な食事になるのも嬉しいところです。

鶏のから揚げ

ときどき無性に食べたくなる鶏のから揚げ。大きなお皿に山盛り揚げれば、あっという間に炊飯器が空っぽになります。衣に使う粉の種類や衣の付け方、鶏肉の部位など、組み合わせは無限大。我が家では卵入りの衣に炊いたお米を加えます。お米はカラッと揚がるとクリスピーのようにカリカリになって、ふわっと軽い衣に食感を与えてくれます。お肉が食べたい!という日の献立に、お弁当のおかずにと大活躍。

【材料】約2人分
鶏肉 だいたい500g
(ももやむね、ささみに手羽などをお好みで)
片栗粉 50g
薄力粉 20g
卵 1個
ご飯 小さいお椀にちょこんと1膳分くらい
●醤油 大さじ2
●酒 大さじ1
●塩 少々
●ごま油 大さじ2
●にんにくのすりおろし 1片
●しょうがのすりおろし にんにくの2倍くらい

【作り方】
まず鶏肉を食べやすい大きさに切って、●印がついた調味料を揉み込みます。

揉み込んだら、卵を溶いて加えて、片栗粉と小麦粉をふるい、粉気がなくなるまでよく混ぜます。最後にご飯をほぐして加えます。軽く混ぜたら衣の完成です。

いよいよ揚げていきましょう。最初は180℃くらいの油でうっすらキツネ色になるまで揚げて一度、取り出します。

数分おいて、火を強めて200℃くらいでカラッとおいしそうな色になるまで2度揚げしたら出来上がりです。