ヒモの手帖

今日は何を作ろうか

塩鮭の炊き込みご飯

私が大好きな焼き鳥屋さんのメニューには、なぜか釜めしが用意されていて、これが絶品。春はあさりやたけのこ、冬は蟹や牡蠣といった具合に季節ごとの具もあったりするのだけれど通年あるのが鮭釜めし。お米の上にちょこんと塩鮭がのっていて、ぱらぱらと黒胡麻がふられているだけのシンプルな釜めし。しかし、飾り気が無いと侮ること勿れ、お米はぴかぴか、塩鮭はふっくらとして、皮なんて銀色に輝いているのです。これがなかなかどうして、すこぶるおいしい。それもひと口食べて「すごい!おいしい!!」という類のものではなくて、ひと口、ふた口、み口あたりからしみじみと「おいしいなぁ」という言葉が滲み出てくるような、そんなおいしさなのです。その鮭釜めしに似たものを、なんとか家で作れないかと試行錯誤したのが塩鮭の炊き込みご飯です。手間も時間もかかりません。唯一のコツは少しおいしい塩鮭を使うこと。

【材料】2合分
おいしい塩鮭 2切れ
おいしいお米 2合
水(酒の分量も含めて) 2合分
酒 大さじ2
塩 小さじ2弱
昆布 1枚
黒胡麻(お好みで) 適量

【作り方】
まずはお米を研ぎます。

炊飯器に移して、酒の分量を含めて2合分で水加減をします。

塩を加えて軽く混ぜ、昆布、塩鮭の順番でお米の上にのせましょう。

あとはご飯を炊くだけです。
ご飯を炊く時は、お米を少し水に浸してからの方がいいとか、ざるにあげて置いた方がいいとか色んな話を聞きますが私はすぐに炊いてしまいます。それでも十分おいしく炊くことができるので、ご安心ください。

炊き上がったら塩鮭の骨を抜いて、皮ごとほぐしてご飯と合わせます。器によそり、黒胡麻をぱらりとふったら出来上がりです。熱々のうちに召し上がれ。



かぼちゃの煮物

時々、無性に食べたくなるかぼちゃの煮物。濃い深緑色と鮮やかな黄色のツートンカラーは目に鮮やか。手軽なこともあって、我が家では皮を剥かずに煮てしまいます。出汁なんかで煮なくても、ほっくり、しっとりと煮上がったかぼちゃは十分にご馳走です。華やかさや目新しさは無いけれど、食べるとどこかほっとする食卓の名脇役です。

【材料】約2人分
かぼちゃ 2分の1個
水(かぼちゃがひたひたに浸るくらい) 適量
醤油 大さじ3
酒 大さじ1
砂糖 大さじ3
塩 少々

【作り方】
まず、かぼちゃのワタを取り除いて、食べやすい大きさに切ります。生のかぼちゃはとても硬いので手を切らないようにお気をつけください。

鍋にかぼちゃを入れて、水をひたひたに加えます。塩以外の調味料も全て加えましょう。

中火にかけて、ひと煮立ちさせます。ここで味見をして塩で味を調えます。硬いかぼちゃを煮含めるために少し濃いめの方がよろしいかと思います。

落とし蓋をして弱火でふつふつ、かぼちゃが柔らかくなるまで煮たら出来上がり。

もちろん、出来立てもおいしいけれど一晩置くと味が落ち着いて、よく馴染みます。お弁当のおそうざいにもぴったりです。


白菜と搾菜の中華スープ

秋が終わって寒くなってくると、いよいよ白菜がおいしい季節ですね。葉の一枚一枚が肉厚になり、玉がキュッと締まって、ずっしりと重くなってきます。葉はクセがなくて柔らかく、芯はとても瑞々しくて甘みがあります。料理すると芯に近い部分は鮮やかな黄色になって、食卓に彩りを与えてくれます。この白菜を私はよく搾菜と一緒にスープにします。葉物は汁物にするとカサが減ってたくさん食べられるのはもちろんのこと、じっくりと煮た白菜は芯までとろとろ。搾菜はスープにすると特有の香りが丸くなって食べやすくなるばかりか、とても良いダシと塩気が出ます。野菜がたくさん食べられて、体も温まる白菜と搾菜の中華スープ。ぜひ、この冬お試し下さい。

【材料】約2人分
白菜 4分の1玉
搾菜(味を見ながらお好みで) 適量
豚バラ薄切り肉(あれば) ほんの気持ちくらい
鶏ガラスープの素 大さじ1
酒 大さじ1
ごま油 大さじ1
水(小鍋や雪平鍋にひたひた) 適量
塩(味を見ながら) 適量
胡椒(お好みで) 少々

【作り方】
まず、鍋に水を張って沸かします。

沸かしている間に白菜、豚バラ肉、搾菜を食べやすい大きさに切ります。豚バラ肉には軽く塩(分量外)をふっておきます。

沸騰したら鍋に鶏ガラスープの素、酒を加えて、ひと煮立ちさせましょう。

食べやすい大きさに切った白菜、豚バラ肉、搾菜を加えて、白菜が柔らかくなるまでぐつぐつ煮ます。

白菜が柔らかくなったら味見をして、塩で味を調えます。仕上げにごま油と胡椒を加えたら出来上がりです。お好みでラー油などを加えてもおいしく頂けます。

カスタードプリン

近頃は色んな種類のプリンがありますよね。食感だけで挙げてみても、ぷるぷるとろとろな柔らかいもの、逆にカップを揺らしてもビクともしない、しっかりとした食べ応えのもの、両者の間に位置するものなどを含めれば枚挙に暇がありません。味だってカスタード一辺倒ではなくて南瓜や胡麻、牛乳、紅茶etc...食感と味を組み合わせれば、その種類は膨大です。その中でも私がよく作るのは昔ながらのしっかりとした食感のカスタードプリンです。卵と牛乳の優しい風味のプリンに、しっかり苦くて香ばしいカラメルの組み合わせは普遍性すら感じてしまいます。一度、基本のカスタードプリンができるようになってしまえば、加える牛乳で南瓜を煮てペーストにしてみたり、胡麻ペーストを溶かしてみたり、紅茶を煮出してみたりと色々な応用が利きます。食感も卵の混ぜ具合や加える牛乳の量次第で調整することができます。ぜひ、一度お試し下さい。


【材料】だいたいカップ6〜8個分
プリン
牛乳 520g
全卵 240g(約4個分)
ラニュー糖 100g
バニラビーンズ 4分の1さや
熱湯(湯煎焼き用) 適量
 
カラメル
ラニュー糖 100g
水 60g
お湯 30g
 
【作り方】
まずはカラメルを作ります。鍋にグラニュー糖と水を加えて、中火にかけて煮詰めます。溶かしている途中で混ぜてしまうと、溶けた砂糖が再結晶化してザラついてしまうので、砂糖を溶かしている間は混ぜないようにしましょう。
 
はじめはぐつぐつと大きかった気泡が、ふつふつと小さくなってきたら、そろそろ色が変わるというサインです。鍋底をつけられる冷水を用意しておきましょう。
 
カラメルは色が変わり始めたら、あっという間。あと、もう少しかなというところで火を止めて、余熱で煮詰めるようにすると失敗が少なくなります。私は苦めが好きなので、焦げたようなツンとした香りがしたら引き上げるようにしています。
 
ここだ!と思ったら用意しておいたお湯をカラメルに注いでのばします。熱いカラメルが跳ねるので注意して下さい。
 
出来上がったカラメルを天板に並べたプリンのカップに均等に注ぎます。オーブンは160°で余熱して、湯煎焼き用の熱湯も沸かしておきます。
 
下準備はこれでお終い。いよいよプリン液を作っていきます。牛乳に半分に裂いたバニラビーンズと砂糖を加えて、沸騰しない程度に温めます。
 
牛乳を温めている間に卵を溶きます。この溶き方がプリンの食感を大きく左右します。よく混ぜれば、柔らかい食感になり、あまり混ぜないとしっかりとした食感になります。共通しているのは白身はしっかり切ることです。泡立て器をボウルに擦りながら円を描くように混ぜると、やりやすいかと思います。
 
温めていた牛乳をだいたい50〜60°くらいに調整して卵液と混ぜ合わせます。牛乳を加えている間、常に卵液を混ぜ続けることが卵に火を通さないポイントです。
 
牛乳と卵液がよく混ざったら一度漉してプリン液の完成です。お玉や注ぎ口がついている計量カップなどに移すと、プリンのカップに注ぐ作業がしやすくなります。
 
出来上がったプリン液をカップに注いで、オーブンに入れます。天板の8分目くらいまで熱湯を注いで、湯煎焼きにしましょう。カップの大きさにもよりますが、だいたい160°で30〜45分で焼き上がります。
 
途中で表面に膜が張ったら、アルミホイルをかぶせると乾燥や焦げを防ぐことができます。
 
カップを揺らしてみて、プリンのふちはあまり揺れずに真ん中が軽くぷるんと揺れる程度になったら焼き上がりのサインです。真ん中に竹串を刺してみて、倒れなければ完全に焼き上がりです。
 
天板に注いだ熱湯が危ないので表面が乾かないように濡れ布巾などをかぶせてオーブンの中で冷ましましょう。
 
粗熱が取れたら、カップの底を拭いて、フタやラップなどをして冷蔵庫に移します。
 
十分に冷やして召し上がれ。お皿に移して生クリームやフルーツで飾れば華やかなプリン・ア・ラ・モードに。
 

焼きサンド

焼きサンド、それはホットサンドとは少し違う、我が家に脈々と伝わるサンドイッチです。耳を落として、具を挟んだ四角い食パンを真っ二つ、長方形に切り分けて、こんがりとキツネ色に焼きます。具はハムとスライスチーズだけ。パンの間からは薄ピンクのハムととろーっと溶けたチーズが顔をのぞかせます。クリームチーズやチェダーチーズなどの洒落たチーズではなくて、昔からあるスライスチーズを使います。ほんのりと香るバターとからしの風味がいくら食べても飽きさせてくれません。シンプルで飾り気はまったく無いけれど、馴染みやすくて、食べるとどこかほっとする、懐かしいような気持ちになります。我が家では昔、よく祖母がおやつに作ってくれた思い出の味です。

【材料】焼きサンド12切れ分
サンドイッチ用食パン(耳が落とされたもの)12枚
スライスチーズ(溶けるタイプ)6枚
ハム 6枚
バター 適量
からし(ディジョンマスタードでも) 適量
油 適量

【作り方】
まず、バターを室温に出して、柔らかくしておきます。

パンに1枚ずつ、薄くバター、からしの順番で塗っていきます。

全てのパンにバターとからしを塗り終わったら、ハムとスライスチーズを挟みましょう。

これで6枚のサンドイッチが出来上がったはずです。全てをきれいに重ねて、ひと切れが長方形になるように真っ二つに切り分けます。

フライパンに油を引いて、中火で熱します。フライパンに手をかざしてみて、熱いくらいになったらサンドイッチを焼いていきます。

少し焼いては焼き色を見て、おいしそうな色に焼けたら、ひっくり返しましょう。

ひっくり返して、しばらく経つとチーズがとろりと溶けてくるはずです。ひっくり返した面の焼き色も確認して、おいしそうな焼き色がついていたら出来上がり。あとは同じように焼いていきます。

まずはできたて熱々を食べてみてください。チーズがとろーっと溶けているうちに召し上がれ。冷めてもおいしいので遠足やピクニックのお弁当にもぴったりです。

ブロッコリーとツナのパスタ

青々とした新鮮なブロッコリーはさっと塩茹でして熱々なうちに、マヨネーズをつけて食べるのがおいしいですよね。でも、たまにはクタクタになるまで煮てみるのもいかがでしょう?小気味良い食感は無くなりますが、代わりにフォークで押すと崩れるくらいの柔らかさとブロッコリー本来の旨味、風味を味わうことができます。にんにくとツナを加えることで、旨味がさらに増して、パスタによく絡みます。刻んで、ぐつぐつ煮るだけの簡単さも嬉しいポイントです。

【材料】約2人分
ツナ 1缶
にんにく 3片
水(炒めたブロッコリーに対してひたひた)適量
オリーブ油(たっぷりと) 適量
塩(味をみながら) 適量
粉チーズ(お好みで) 適量
パスタ(お好みで) 我が家はふたりで200g

【作り方】
まず、パスタを茹でるお湯を沸かします。塩とオリーブ油(分量外)を少し加えておきましょう。

お湯を沸かしている間にパスタソースを作ります。パスタソースよりも先にお湯が沸いてしまったら火を弱めて、いつでもパスタを茹でられるようにしておきます。

にんにくを包丁の腹で潰して、適当に刻み、鍋に移します。鍋底一面にたっぷりとオリーブ油を引いて、弱火でじっくりとにんにくの香りを引き出しましょう。

十分、にんにくの香りが引き出せたら、ツナを汁ごと加えます。ここでツナをしっかりと炒めます。

ブロッコリーを小さめにざく切りにして、茎も包丁の腹で軽く潰して同じように切り、一緒ににんにくとツナの鍋に加え、強火で炒めます。

ブロッコリーに油が回ったら、ひたひたになるように水を注いで、中火でぐつぐつ煮ていきます。

あとはブロッコリーがクタクタになるまで煮て、味見をしながら塩で調味してパスタソースの完成です。

パスタを茹で上げて、熱いうちにパスタソースと絡めます。仕上げに粉チーズをたっぷりふって、軽く混ぜます。お皿に渦を巻くようによそったら出来上がりです。パスタがのびないうちに、熱々を召し上がれ。


いんげんの胡麻和え

香りの良い胡麻と歯ごたえの良いいんげんの組み合わせは胡麻和えの定番。ちょっぴり面倒でも胡麻は丁寧に煎ってから擂ると、とっても香ばしく、おいしく仕上がります。胡麻をサーッとフライパンに入れる音、胡麻がパチパチと爆ぜる音、擂り鉢とすりこぎがリズム良く擂れる音、煎りたての胡麻の香ばしい匂い、直接味わうだけでなく作る過程もおいしい、そんな一品です。

【材料】約2人分
いんげん 1袋
白胡麻 大さじ3
砂糖 大さじ1
醤油 大さじ1
みりん 小さじ1
塩 少々

【作り方】
まず、鍋にたっぷりのお湯を沸かします。

お湯を沸かしている間に、いんげんの両端と筋を取り除きます。

お湯が沸いたら塩、少々を加えて、いんげんを茹でます。歯ごたえが残るように数分で茹で上げましょう。

茹で上がったら冷水にとって〆て、よく水を切ります。食べやすい幅に切って、ボウルなどの器にとっておきましょう。

フライパンに白胡麻を入れて、中火で煎ります。常にフライパンを揺らして、胡麻が焦げないように気をつけましょう。

胡麻がパチパチと爆ぜてきたら火を止めて、粗熱が取れるまで煎り続けます。

煎り終わったら胡麻を擂り鉢やミキサー、フードプロセッサーに移して砂糖と醤油、みりんを加えて擂ります。擂り鉢で擂る場合は胡麻だけで少し擂ってから調味料を加えて擂りましょう。

胡麻の粒がだいたい無くなってきたら擂り上がりです。あとはとっておいたいんげんに胡麻を和えたら出来上がり。水気が少ないので、お弁当に彩りを加えるのにもぴったりです。