ヒモの手帖

今日は何を作ろうか

味噌つみれ鍋

冬の寒さが厳しくなってくると市場や道の駅の片隅に時折テントが張られ、なにやら美味しそうな匂いと一緒にもくとくと白い湯気が立ち昇っていることがあります。そう、つみれ汁です。
私はその美味しそうな目印を見つけるとたまらなくなって、小銭を握りしめて駆けて行ってしまうほどつみれ汁が大好物。
お風呂にもなりそうなくらいに大きな鍋から注がれた味噌仕立ての汁にはキラキラと青魚の旨みたっぷりの脂が光り、ぺなぺなになった大根や長葱が浮かんでいるのです。まずはひと口、汁をすすれば冬の寒さも相まって筆舌に尽くしがたい幸せに包まれることでしょう。お箸でお椀の底を探ってみれば大きなつみれが見つかるはず、その日に獲れた青魚をいっしょくたに擦り合わせたつみれはまさに旨みの塊です。骨などは一切気にならず、むしろなめらかでふわふわ。
全部食べ終わる頃にはお腹は満たされ、体はポカポカ。何度、どこで食べても、つい感動してしまいます。
そんなつみれ汁を家でも食べたい!と思い、作ったのが味噌つみれ鍋です。たしかに魚料理は少し手間がかかりますが、出来上がったつみれや魚や野菜の旨みが溶け込んだ汁を味わえば、後悔はしないと思います。

【材料】
(つみれ)
魚(主に鰯、鯵、秋刀魚など)鰯で 8尾くらい
卵白 2個分
生姜のすりおろし 小さじ2
酒 小さじ2
塩 小さじ1
味噌 大さじ1

(鍋の具)
長葱 1本
白菜4分の1玉
大根 4分の1本
豆腐 1丁

(鍋つゆ)
水 お鍋にたっぷりと
生姜の薄切り 3枚
魚のアラ(あれば) 主に頭、中骨、腹骨など
●酒 大さじ2
●みりん 大さじ1
●味噌 お玉にたっぷりひとすくい
酒粕 大さじ1とちょっと
●砂糖 大さじ1とちょっと

【作り方】
まずは魚を捌きます。三枚下ろしにして、腹骨を削いで皮を剥ぎましょう。身に残った中骨は骨抜きで抜いてもいいし、面倒ならば中骨のところだけを身ごと薄く切り取っても大丈夫です。すでに捌いてあるものを買ってきても十分においしく作れます。

アラの処理は頭についているエラを外し、他の部位は冷水でよく洗っておきましょう。

お鍋にお湯をグラグラに沸かし、一気にアラを加えて中火〜強火で煮ます。アクを取りつつ、濁っていたお湯が軽く透明になってきたらザルに通し、アラを除いて出汁とします。

次につみれを作ります。捌いた魚をはじめとするつみれの材料を全てフードプロセッサーやミキサーに入れて、滑らかになるまでよく撹拌します。すり鉢や包丁で作る場合にはまず最初に魚と塩だけで粘り気が出るまで混ぜ合わせてからボウルなどで他の材料と合わせるようにします。これでつみれの生地の完成です。

アラで取った出汁を再び沸かし、スプーンを使って、つみれの生地を出汁に落としていきます。つみれが浮かんできたら少し間をおいて、器やボウルなどにとって、ラップをしておきましょう。

次に合わせ味噌を作ります。●印の付いた材料を一度によく混ぜ合わせ、出汁で溶きます。これで鍋つゆの出来上がり。

野菜や豆腐を食べやすい大きさに切り、鍋つゆで煮て柔らかくしてから、食べる直前につみれを加えて味噌つみれ鍋の出来上がりです。小葱や浅葱、柚子の皮などの薬味を添えるとよりおいしく頂けるかと思います。