ヒモの手帖

今日は何を作ろうか

鶏肉の白ワイン酢煮込み

お酢で煮るのに出来上がりは酸っぱくない不思議でおいしい煮込み料理。昔、私の母がよく作ってくれた料理のひとつで、キッチンから酸っぱい匂いが漂ってくると今晩の夕ご飯はこれだ!と喜んだものでした。
 お酢はじっくりふつふつと煮詰めてあげるとツンとした匂いや酸味が全て旨みに変わります。また、鶏肉とお酢は意外と相性がよく、スペインやフィリピンでは鶏肉をはじめとする具をお酢で煮るアドボという料理が親しまれています。
 この煮込み料理でなにより大切なことは骨付きの鶏肉を入れることと、しっかりおいしそうな焼き色をつけること。香ばしく焼かれた皮や骨には濃厚な旨味がたっぷり。それが溶け出たソースは絶品です。
 白ワイン酢が無い時は日本の米酢やりんご酢でもおいしくできます。その時はできれば白ワインか日本酒を入れてあげると味がぐんっと良くなります。一度にたくさん作ることもできるので、おもてなしにもぴったりです。ぜひ、一度お試しください。

【材料】
鶏肉 できれば骨付きとそうでないもの2パック
塩 適量
にんにく 2片
白ワイン酢 カップ3分の2
トマト缶 1缶
水 1カップ
植物油 適量

【作り方】
まずは鶏肉に少し多めに塩を振って、よく揉み込み10分〜30分くらい置いておきます。

時間が経って塩が馴染んできたら鍋に少しの油を引いて強火で熱し、鶏肉を皮目から焼いていきます。ジュッと音がしたら後は中火〜弱火でじっくり焼いていきます。

皮目をバリッと焼いたらひっくり返して弱火に、お肉の面は全体を白くするくらいで大丈夫です。中まで完全に火を入れる必要はありません。

鍋を洗って、少しの油、潰して刻んだにんにくを入れて火にかけます。香りが出てきたらトマト缶、白ワイン酢、塩、水を加えてひと煮立ちさせ、おいしそうに焼いた鶏肉を加えます。少しずらして蓋をして鶏肉が柔らかくなるまで弱火でふつふつ煮ていきます。

途中で汁気が無くなってきたら適宜、水を足して煮てください。

仕上げに鶏肉の柔らかさと味を見て必要に応じて塩で味を調えたら出来上がり。お酢のおかげでお肉はしっとり柔らか、骨離れもとっても良いです。ソースもおいしいので、ぜひパンと一緒に召し上がれ!


りんごのコンポート

寒い冬はりんごの季節。真っ赤に熟したりんごは何とも言えない甘い香りがたまりません。割ってみれば中には鮮やかな黄色の蜜がたっぷり。甘酸っぱい風味やしゃりしゃりとした小気味良い歯応えはフレッシュなりんごでしか味わえないおいしさです。しかし、そのおいしさが保たれるのは新鮮なうちの限られた間だけ。たくさん買ったり、貰ったりするとダメにしてしまうこともありますよね。そんなとき、我が家ではコンポートにして保存します。おいしいうちに煮てしまえば甘酸っぱい風味や果肉の鮮やかな黄色はそのまま、長く楽しむことができます。また、お菓子作りにもぴったりです。この冬、ぜひ一度お試し下さい。

【材料】
りんご 何個でも
水 皮を剥いて切ったりんごに対してひたひた
砂糖 水の分量の25%
レモン汁 ほんの少し

【作り方】
まず、りんごの皮を剥き、芯を取り除きます。

食べやすい大きさに切りましょう。細めのくし切りや縦ふたつに割って芯を取り除いてから横にスライスしてもいいかと思います。

鍋にりんごを入れて、ひたひたに浸かるくらいまで水を加え、水だけの重さを計ります。計った水の重さの25%の量の砂糖を水に溶かして、レモン汁を加えて沸かします。

砂糖が全部溶けたら、りんごを加えて煮ていきます。クッキングペーパーなどで落し蓋をすると均一に煮上がります。10分ほど様子を見ながら煮て、りんごがクタっと柔らかくなったら火を止め、そのまま一晩おいて冷まします。一晩おくことで、シロップの浸透圧でりんごに糖分がよく入り、味がよくなります。もちろん、出来立てのフレッシュ感の残るものもおいしいので、火傷に気をつけてぜひ味見をしてみて下さいね。

これでりんごのコンポートの出来上がりです。おやつにそのまま食べても良いですし、アイスクリームやヨーグルトに添えてもおいしいかと思います。さらに細かくし、砂糖を加えて煮詰めたりするとジャムやパイのフィリングにすることもできます。


味噌つみれ鍋

冬の寒さが厳しくなってくると市場や道の駅の片隅に時折テントが張られ、なにやら美味しそうな匂いと一緒にもくとくと白い湯気が立ち昇っていることがあります。そう、つみれ汁です。
私はその美味しそうな目印を見つけるとたまらなくなって、小銭を握りしめて駆けて行ってしまうほどつみれ汁が大好物。
お風呂にもなりそうなくらいに大きな鍋から注がれた味噌仕立ての汁にはキラキラと青魚の旨みたっぷりの脂が光り、ぺなぺなになった大根や長葱が浮かんでいるのです。まずはひと口、汁をすすれば冬の寒さも相まって筆舌に尽くしがたい幸せに包まれることでしょう。お箸でお椀の底を探ってみれば大きなつみれが見つかるはず、その日に獲れた青魚をいっしょくたに擦り合わせたつみれはまさに旨みの塊です。骨などは一切気にならず、むしろなめらかでふわふわ。
全部食べ終わる頃にはお腹は満たされ、体はポカポカ。何度、どこで食べても、つい感動してしまいます。
そんなつみれ汁を家でも食べたい!と思い、作ったのが味噌つみれ鍋です。たしかに魚料理は少し手間がかかりますが、出来上がったつみれや魚や野菜の旨みが溶け込んだ汁を味わえば、後悔はしないと思います。

【材料】
(つみれ)
魚(主に鰯、鯵、秋刀魚など)鰯で 8尾くらい
卵白 2個分
生姜のすりおろし 小さじ2
酒 小さじ2
塩 小さじ1
味噌 大さじ1

(鍋の具)
長葱 1本
白菜4分の1玉
大根 4分の1本
豆腐 1丁

(鍋つゆ)
水 お鍋にたっぷりと
生姜の薄切り 3枚
魚のアラ(あれば) 主に頭、中骨、腹骨など
●酒 大さじ2
●みりん 大さじ1
●味噌 お玉にたっぷりひとすくい
酒粕 大さじ1とちょっと
●砂糖 大さじ1とちょっと

【作り方】
まずは魚を捌きます。三枚下ろしにして、腹骨を削いで皮を剥ぎましょう。身に残った中骨は骨抜きで抜いてもいいし、面倒ならば中骨のところだけを身ごと薄く切り取っても大丈夫です。すでに捌いてあるものを買ってきても十分においしく作れます。

アラの処理は頭についているエラを外し、他の部位は冷水でよく洗っておきましょう。

お鍋にお湯をグラグラに沸かし、一気にアラを加えて中火〜強火で煮ます。アクを取りつつ、濁っていたお湯が軽く透明になってきたらザルに通し、アラを除いて出汁とします。

次につみれを作ります。捌いた魚をはじめとするつみれの材料を全てフードプロセッサーやミキサーに入れて、滑らかになるまでよく撹拌します。すり鉢や包丁で作る場合にはまず最初に魚と塩だけで粘り気が出るまで混ぜ合わせてからボウルなどで他の材料と合わせるようにします。これでつみれの生地の完成です。

アラで取った出汁を再び沸かし、スプーンを使って、つみれの生地を出汁に落としていきます。つみれが浮かんできたら少し間をおいて、器やボウルなどにとって、ラップをしておきましょう。

次に合わせ味噌を作ります。●印の付いた材料を一度によく混ぜ合わせ、出汁で溶きます。これで鍋つゆの出来上がり。

野菜や豆腐を食べやすい大きさに切り、鍋つゆで煮て柔らかくしてから、食べる直前につみれを加えて味噌つみれ鍋の出来上がりです。小葱や浅葱、柚子の皮などの薬味を添えるとよりおいしく頂けるかと思います。



薬味酢飯

私は小さい頃、薬味があまり好きではありませんでした。葱なんかはまだ良かったけれど茗荷や大葉のあの独特な香りを嗅ぐと、どうして既においしい食べ物にこんなものを合わせるのだろうとよく不思議に思ったものです。パクチーなどはもう恐怖の対象でしかありませんでした。そんな私をよそに周りの大人たちは蕎麦に鍋、鰹のたたきなんかに、これでもかと山盛りの薬味をのせて、それはもうおいしそうに食べていたのです。それから早十数年、私はすっかり薬味好きとして立派に成長したのであります。クレソンのサラダと根三つ葉のお浸しが同時に食卓にのぼるなんてことはザラもザラ。パクチー料理専門店などにも行きました。そんな私が付き合った彼女が、幼い頃の自分と同じ大の薬味嫌いだったのです。香味野菜はもちろんのこと、胡麻などもダメ。その中で苦心して作ったのが、この薬味酢飯でした。今でも彼女は薬味が苦手ですが、この酢飯だけは大喜びで食べてくれます。普通の酢飯だと、どうしても飽きてしまうなんていう時に、ぜひ一度お試し下さい。

【材料】酢飯2合分
米 2合分
水 2合分(気持ち少なめに)
酒 小さじ1
昆布 1切れ(あれば)
●酢 大さじ2
●塩 小さじ2
●砂糖 小さじ4
生姜 1かけ
大葉 5枚くらい
茗荷 1つ
お好みの香味野菜(柚子や葉わさびetc...)
白炒り胡麻 適量

【作り方】
まずはお米を洗って、ほんの気持ち硬めに炊き上がるくらいに水加減して酒と昆布を加えて炊きます。

ご飯を炊いている間に薬味になる野菜を切っていきます。生姜は細い針千本に、茗荷は縦半分に切ってから薄切りに、大葉は細切りにします。他に薬味を入れる場合も小さく刻んだり、薄切り、細切りにした方が食べやすいかと思います。

薬味の支度が終わったら、今度は合わせ酢を作ります。●印の付いた調味料を混ぜ合わせて、塩や砂糖の粒があらかた無くなるまで混ぜます。軽く火にかけてやると早く溶けます。火傷したり沸かさないようにお気をつけ下さい。

いよいよご飯と合わせ酢、薬味を合わせていきます。ご飯が炊き上がったらすぐに、できるだけ大きくて平たい器(大きめの鍋やきれいに洗ったフライパンでも)にご飯をあけて合わせ酢をまんべんなく振りかけ、素早くしゃもじで切るように混ぜます。途中、何度か底から返すように混ぜると均一に混ぜることができます。ここで時間をかけてしまうとお米が潰れてベタついたりするので、ここだけは少し手早く作業するようにしましょう。うちわがあれば扇ぎながらやると、さらに均一に味が行き渡ります。

だいたいご飯と合わせ酢が混ざったら用意しておいた薬味を加えて軽く混ぜます。

これで薬味酢飯の出来上がりです。おひつがあれば理想的ですが、ボウルにラップでも、鍋に蓋でも、もちろん大丈夫。乾かないようにして手巻き寿司にするもよし、ちらし寿司にするもよし、手捏ね寿司にするもよしです。お好きなように召し上がれ。


ぶりの照り焼き

我が家では冬の魚と言えばぶり。近ごろはみかんぶりやスダチぶりといった柑橘系の果物の皮を食べさせて養殖したフルーツ魚なんていうのが出てきていますね。また、養殖でも産地によってはブランドがあって天然物より値段が高かったりして驚かされます。だからと言って無条件に天然物の方が良いとか養殖物の方が良いなんてことは無くて、それぞれの味の好みや料理によって選ぶという方が良いかと思います。そんなぶり、私が一番好きな食べ方はわさびをたっぷりつけて食べるお刺身。わさびの風味がぶりの甘さを存分に引き立ててくれます。でも、毎日お刺身続きではいくら好きでも飽きてしまいます。そんな時にはぶりを照り焼きにします。甘塩っぱくて、こっくりとした味は白いご飯によく合います。お弁当のおかずにもぴったり!

【材料】
ぶり 2切れ
塩(下味) 少々
酒(下味) 少々
小麦粉 少々
●醤油 大さじ2
●みりん 大さじ1
●酒 大さじ1
●水 大さじ2
●砂糖 大さじ1
植物油 適量

(付け合わせ)
長葱 1本
牛蒡 1本
植物油 適量

【作り方】
まずはぶりの切り身に薄く塩と酒を降りかけて少し置いておきます。

その間に長葱と牛蒡を食べやすい大きさに筒切りにします。牛蒡は包丁の腹で軽く潰すと味の染みが良くなります。フライパンに油を引いて長葱と牛蒡を焼いていきます。煮ると焼き色が流れてしまうので、しっかりおいしそうな焼き色をつけましょう。焼きあがったらバットや器に移しておきます。

次に置いておいたぶりの水気をキッチンペーパーなどで拭き取り、薄く小麦粉をまぶします。長葱と牛蒡を焼いたフライパンを軽く拭き、再び油を引いて、ぶりにもおいしそうな焼き色をつけていきます。時にはお箸や鍋のへりを使ってぶりを立てたりして全体に焼き色をつけましょう。焼きあがったら長葱や牛蒡と一緒に取り置いておきます。

再び、軽くフライパンを拭いて●印の付いた調味料を全て加えて、ひと煮立ちさせます。焼き色をつけた長葱と牛蒡を加えて、煮汁が少し煮詰まるまで煮ていきます。ちょっぴり濃度がついてきたなと思ったら先に長葱と牛蒡を器によそいます。

長葱と牛蒡の代わりにぶりを加えて、さらに煮詰めていきます。途中、スプーンなどで煮汁をかけながら煮るとぶりに味が均一に回ります。

煮汁が少なくなって、とろーっとしてきたらぶりを器によそいます。煮汁をさらに煮詰めて、ぶりや長葱、牛蒡にかけるとより照りが出ておいしそうに仕上がります。お好みで針生姜や白髪ねぎをあしらったら出来上がりです。

バターナッツかぼちゃのポタージュ

寒い冬、私はよく野菜のポタージュを作ります。食べると体が温まるのはもちろんのこと、手軽に野菜を摂ることができるし、なによりそのままでは食べにくい野菜もミキサーやフードプロセッサーにかけて、なめらかににしてしまえば抵抗なく食べられることが多いからです。また、一度にたくさん作ってストックしておくこともできるから、冷え切った冬の朝のキッチンで手先や足先を凍えさせなくて済むというのも嬉しいポイントです。我が家でよく作るポタージュはトウモロコシにじゃがいも、そしてかぼちゃなんかが挙げられます。なかでも今の季節はかぼちゃがとびきり美味しい季節です。かぼちゃの身の上は何と言っても、こっくりとした甘みと火を通すことで得られるなめらかさだと思います。特に近ごろ少しずつ見かけるようになったバターナッツかぼちゃはこのふたつの魅力に優れていて、ポタージュにするのにはぴったり。見かけはするけれど、どう料理していいか分からなかったという人はぜひ一度、バターナッツかぼちゃのポタージュをお試しください。

【材料】約2人分
バターナッツかぼちゃ 2分の1個
植物油 適量
水 炒めたバターナッツかぼちゃにひたひた
牛乳 様子を見ながらお好みの濃度に
塩(味を見ながら) 適量
チキンコンソメ 2分の1〜1個

【作り方】
まずはバターナッツかぼちゃのワタを取り出して、皮を剥きます。とても硬くて滑りやすいのでご注意ください。

そのままでは大きすぎて扱い辛いので、切り分けてから薄切りにしていきます。

鍋に植物油を少し多めに引いて熱し、薄切りにしたバターナッツかぼちゃを中火でじっくりと炒めていきます。

次第にかぼちゃから水分が出てきて、崩れて、自然とペースト状になっていきます。崩れれば崩れるほど焦げやすくなるので注意しましょう。一度、よく炒めて水分を飛ばすことでかぼちゃ自体の味がとても濃くなります。

あらかた崩れて粗いペースト状になったら、かぼちゃがひたひたになるくらいに水を加えて弱火〜中火で煮ます。ここで完全にかぼちゃに火を通して、なめらかにします。

約10分ほど煮たら、火を止めて粗熱を取り、ミキサーやフードプロセッサーにかけてバターナッツかぼちゃペーストを作ります。ここまで作ってしまえば、スープはもちろん、色々な料理に応用することができます。

あとは食べる時に鍋にバターナッツかぼちゃペーストを入れて、牛乳でお好みの濃度に調整し、塩とチキンコンソメを加えて味を調え、さっと火にかけて温めるだけです。あまり沸かさないほうが、バターナッツかぼちゃの持ち味であるなめらかさがより活きるかと思います。

ローストチキン

クリスマスと言えばローストチキン。我が家では私が小さい頃からクリスマスイブの夜に丸鶏を焼くのがお約束でした。23日になると母がお肉屋さんから丸鶏を買ってきて、それを冷蔵庫にしまっておくのです。子供だった私は珍しい丸鶏に興味津々で、たびたび冷蔵庫を覗いてよく怒られました。今では私が買ってきて、焼く側になったことを思うと感慨深さとともに時の流れの早さに驚かされます。最近ではお店やコンビニでも、足の1本から手軽に買えるようになりましたね。味だって、どれもおいしいものばかり。それでも、やっぱり家で焼くチキンは格別です。ここ数年、私が気に入っている焼き方はブライン法という鶏を一晩、ブライン液という調味液に漬ける方法です。この作り方だとお肉が驚くほどにしっとりとジューシーに仕上がるのです。初めて、この方法でチキンを焼いた時は感動しました。こんがりとおいしそうな焼き色がついた皮のすぐ下には肉汁でぱつぱつになった薄ピンクのお肉がたっぷりと詰まっているのです。あまりのおいしさに、ふたりで1羽をぺろっと食べてしまいました。1年に一度のクリスマス、少し手間と時間はかかりますがぜひ一度お試しください。

【材料】鶏1羽分
丸鶏(中抜き) 1羽
水 丸鶏が完全に浸かる量
●塩 水に対して5%
●砂糖 水に対して3%
●胡椒(ホール)5粒くらい
ローリエ 2枚
ローズマリー(フレッシュ) 2本
●にんにく(半分に切るか潰す) 3片
+αお好みのハーブやスパイス
じゃがいも 3個
玉ねぎ1個
オリーブ油 適量

【作り方】
ローストチキンは焼く前日から仕込みます。
まず、丸鶏を水でよく洗います。内臓に汚れや血、脂などが残っている場合があるので入念に。

鶏を洗い終わったらブライン液を作ります。
清潔で食品に対応しているポリ袋や大きなボウル、鍋に鶏を入れて水を注ぎます。ひたひたになったら、水だけの重さを計ります。そこに●印のついた調味料を全て加えて、塩や砂糖の粒が溶けるまでよく混ぜます。これでブライン液の出来上がりです。丸鶏を漬けて冷蔵庫や涼しい所で一晩置きます。

ボウルや鍋でつける場合はラップで落し蓋をすると浸からない部分ができません。

焼く1時間ほど前に冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。その間に一緒に焼くじゃがいもと玉ねぎの下拵えをしましょう。じゃがいもは皮を剥き、スライスして沸騰したお湯にたっぷりの塩を加えて軽く茹でます。玉ねぎは薄切りにします。ともに少しのオリーブ油で和えておきます。オーブンは200°Cで予熱しておきましょう。

天板にじゃがいも、玉ねぎを敷き、その上にブライン液を切った丸鶏をのせて、必要なら足をタコひもで縛ります。私はいつも縛らずに焼いてしまいます。仕上げに鶏にオリーブ油を塗ります。

オーブンの温度を180°Cに落として、鶏を入れます。大きさにもよりますが、だいたい1時間くらいで焼き上ががるかと思います。途中で焼き色を見ながら天板の向きを変えたりすると均一においしそうな色がつきやすいです。焼け具合は竹串や料理用の温度計で確認します。竹串で見る場合は鶏の厚い部位に刺してから数十秒間おいてから抜き、竹串の先を唇に当てて、熱くなっているか、刺した所から透明な肉汁が出てくるかで判断します。

鶏の下に敷いたじゃがいもと玉ねぎは付け合わせに、天板に溜まった旨みたっぷりの肉汁や脂は塩と胡椒を加えてソースにします。

天板のままでも、大皿に盛っても良いですが、やはり丸鶏はみんなの前でわいわい言いながら取り分けるのが楽しみのひとつです。冷めないうちに召し上がれ。